銅スクラップを売るときの本人確認|金属盗対策法で何が変わった?

銅スクラップを売るときの本人確認と金属盗対策法の解説

2026年6月1日から、銅を主とする金属くず(銅スクラップ)を売るときは、買い取る業者が顔写真付きの本人確認書類で、売る人の氏名・住居・生年月日を確認することが、原則として法律で義務になりました。根拠は「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」(金属盗対策法)です。銅線や銅管を売りに行くときは、運転免許証やマイナンバーカードを持っていきましょう。

この記事では、何が対象になるのか、どの書類を見せればよいのか、会社のスクラップを売るときに何が要るのかを、法令の条文と大阪府警察の説明をもとに整理します。

金属盗対策法とは?なぜ本人確認が必要になったの?

金属盗対策法は、盗まれた銅線などがスクラップとして売られるのを防ぐための法律です。買取の入口で「誰が売ったか」を確認・記録することで、盗んだ金属を売りにくくするねらいがあります。

大阪府警察の説明によると、太陽光発電設備の銅線ケーブルなどが盗まれる金属盗が増えており、令和6年の金属盗の認知件数は20,701件で、令和2年の約4倍、被害額は約140億円とされています。

法律は令和7年法律第75号として公布され、段階的に施行されました。

  • 2025年9月1日:一定のケーブルカッターやボルトクリッパーなど、政令で定める工具を正当な理由なく隠して持ち歩くことの禁止
  • 2026年6月1日:銅を主とする金属くずを買い受ける業者の届出、売る人の本人確認、記録の作成と3年間の保存、盗品の疑いがあるときの警察への申告

「特定金属くず」とは?どんなスクラップが対象?

本人確認の対象になるのは「特定金属くず」です。特定金属くずとは、主に特定金属でできている金属くずのことで、いま特定金属にあたるのは銅です。

大阪府警察の比較一覧では、対象の金属を「銅(青銅、真鍮含む)」と説明しています。真鍮は銅と亜鉛の合金で、蛇口やバルブなどに使われている金色の金属です。

売るもの この法律の本人確認
切断された銅線・電線くず、銅管の切れ端など 対象(大阪府警察は、切断された銅線は本来の用途に使えないものとして特定金属くずにあたると説明)
真鍮・青銅のくず 対象(大阪府警察の比較一覧で「銅」に含むと説明)
まだ本来の使い方ができる中古品(古物) この法律ではなく、古物営業法の本人確認の対象
鉄・アルミ・ステンレスなどのくず この法律の対象外(ただし大阪府の条例など、別の決まりで確認が求められることがあります)

古物とは、一度使われた物や、使うために取引された物で、本来の使い方ができる品物のことです。大阪府警察は、同じ室外機や電線でも、そのまま使えるものは古物、壊れたり切断されたりして本来の用途に使えないものは金属くず、という考え方を示しています。なお、物を作る工程で出る端材は、法律の定義で特定金属くずから除かれています。ただし、端材かどうかにかかわらず、当社では買取の際に本人確認書類をお願いしています。

銅の品目ごとの見分け方は、銅・銅スクラップの買取ページでも紹介しています。

本人確認では何を見せればいい?

個人の方が窓口で売る場合は、顔写真付きの本人確認書類を見せるのが基本です。法律で確認されるのは、氏名・住居・生年月日の3つです。

主な書類(施行規則に定めのあるもの) 注意点
運転免許証 運転経歴証明書の場合は、平成24年4月1日以降に交付されたもの
マイナンバーカード(個人番号カード) 顔写真が付いたもの
在留カード・特別永住者証明書 ―
パスポート(旅券) 氏名・生年月日の記載があるもの。今の住所が書かれていないときは、住所が書かれたほかの本人確認書類か、次の補完書類が要ります

見せた書類に今の住所が書かれていない場合は、住所が分かる補完書類を合わせて見せます。補完書類とは、住所の確認のために本人確認書類と一緒に使う書類のことで、施行規則では税金や社会保険料の領収証書、電気・ガス・水道などの公共料金の領収証書などが挙げられています(領収日付や発行年月日が6か月以内のもの)。

大阪府警察の比較一覧では、この法律の身分証明書は「顔写真付に限定」とされています。写真のない書類だけでは足りないと考えておくと安心です。

買取業者にはどんな義務がある?

本人確認のほかにも、銅スクラップを買い取る業者には次のような決まりがあります。売る側から見ると、「きちんと手続きをしている業者か」を知る手がかりにもなります。

  • 届出:営業所ごとに、その所在地の都道府県公安委員会へ届け出る(届出なしの営業には罰則があります)
  • 表示:営業所の見やすい場所に、氏名または名称・届出をした公安委員会・届出番号を表示する(ウェブサイトへの掲載も求められます。従業者が5人以下の場合やウェブサイトを持たない場合は除く)
  • 記録:本人確認の記録と、買取の日時・量・特徴・価額・支払い方法などの取引記録を作り、3年間保存する
  • 申告:盗まれた物ではないかと疑われるときは、すぐに警察官に申告する

当社も、特定金属くず買受業の届出を大阪府公安委員会(第62263954号)と兵庫県公安委員会(第63261018号)に行っています。許可・届出の一覧は会社概要に載せています。

2回目以降の取引でも毎回本人確認は必要?

原則として、買取のたびに本人確認が行われます。法律には量や金額によって確認を省く定めはないため、少しの量でも同じです。

例外として、過去に取引したことがある方から買い取り、代金をその方の預金口座に振り込む場合などは、毎回の本人確認書類の提示が要らないとされています。ただしこの場合も、業者は記録にある人と同じ人かを確かめ、口座番号などを記録します。

当社の持ち込み買取は、その場で現金でお支払いします(50万円を超える場合はお振込み)。持ち込みのときは、毎回本人確認書類をお持ちください。出張買取のときも、ご担当者さまの本人確認書類をご用意ください。

会社や工事現場のスクラップを売るときは何が要る?

会社(法人)として売る場合は、取引を担当する方の本人確認に加えて、会社そのものの確認が行われます。法人で確認されるのは、名称と本店または主たる事務所の所在地です。

  1. 担当者の確認:運転免許証など、担当する方の顔写真付きの書類
  2. 会社の確認:登記事項証明書や印鑑登録証明書の提示、または国税庁の法人番号公表サイトでの名称・所在地の確認など(施行規則に定める方法のいずれか)

大阪府警察は、持ち込む人が運ぶだけの運送業者で、その場で代金を受け取らない場合は、運送業者ではなく委託した側の本人確認が必要になると説明しています。社員の方などが会社の代わりに持ち込んで取引する場合は、その方の本人確認と会社の確認の両方が必要です。運送会社に運搬だけを頼む場合は、誰の名義で売るのかを先に決めておくと手続きがスムーズです。当社にお持ちいただく書類や確認の方法は、お問い合わせの際にご案内します。

工事業者・工場の方向けの流れは、法人・工事業者さま向けのページにまとめています。

よくある質問

家の片付けで出た古い銅線を少しだけ売る場合も、本人確認は要りますか?

はい。切断された銅線などの銅スクラップは、量が少なくても本人確認の対象です。運転免許証やマイナンバーカードなどをご用意ください。

真鍮の蛇口やバルブも対象ですか?

大阪府警察の比較一覧では、対象の金属を「銅(青銅、真鍮含む)」と説明しています。真鍮のスクラップを売るときも、本人確認書類をお持ちください。

鉄やアルミだけなら身分証は要りませんか?

鉄やアルミは金属盗対策法の対象外ですが、大阪府の金属くず営業条例のように、ほかの決まりで確認が求められる場合があります。当社では、品目にかかわらず買取の際に本人確認書類をお願いしています。

本人確認書類を忘れたら売れませんか?

銅を主とする金属くずは、本人確認ができないと買取の手続きを進められません。当社では、銅以外の品目でも買取の際に本人確認書類をお願いしています。お出かけ前に、財布に運転免許証などが入っているかを確かめておくと安心です。

銅線・銅管・真鍮など、どれが対象になるか分からないものがあっても大丈夫です。持ち込みの方法は持ち込み買取のページをご覧ください。ご不明な点は、お電話やLINE、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

出典:大阪府警察「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(金属盗対策法)の概要について」「金属盗対策法と大阪府金属くず営業条例との比較一覧」(手続き・申請>特定金属くず買受業)/盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(令和7年法律第75号)・同法施行令・同法施行規則(e-Gov法令検索)

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